OHの依頼です
懐かしい時計がお客様から届きました。
オーバーホールのご依頼です。
2005年にお買上げをいただいた岡山県のF様。上手に使っていらっしゃるようで外観は綺麗です。
う〜ん、やはり良い時計だ!と感じつつさっそく点検。点検結果は、
点検結果
1,ゼンマイを巻き上げても動きません。
2,時間合わせをするとクロノ秒針も一緒に動いてしまう。
3,クロノグラフが作動しません。特にリセットボタンが不調です。
4,ねじ込みリューズが、しめることができたりできなかったりする。
ウィッチでチェックしてもやはり反応なし。
300m防水のねじ込み式リューズでケースはピュアチタン。
何といってもムーブはレマニア5100の自動巻き生産終了製品。
耐久性をさらに高めるために、アルゴンガス、ドライカプセル、特殊オイルが使用されています。
当時も非常にレアな限定商品で、特殊部隊・ZUZ隊員制式採用モデルでした。特殊部隊が作業の邪魔にならないように、リュウズが、9時の位置についているのがこの503.EZM1の大きな特徴。
他のジンに比べ、耐久性に優れ、スタイリングも非常にシンプル。ジンの中でも一番玄人好みの商品。現在は小柳時計店さん(奈良)にあるらしいです。
機械式時計は必ずオーバーホールをしなければいけません。
オーバーホールを正しく理解していただきたいと強く思います。機械式時計は、オーバーホールを繰り返すことで100年を超えてお使いいただけます。作業内容は、中の機械をバラして、テンプ(1秒を作りだすカ所)の汚れたオイルを洗い流し、新たなオイルを塗布して、組み立て直すこと。その他汚れや破損、磨耗したパーツの交換もいたします。オーバーホールをする時期は、精度が極端に衰えた時、という考え方でよろしいかと思います。
「この時計のオーバーホール代金はOOOOO円です」というとたまに「検討してきます」とおっしゃるかたがみえます。たいていは二度と来ません。検討の余地はないと思います。なぜならその時計はそれでオシマイ。高いお金を使ってもそれでオシマイ。可哀想ですしもったいない。