限定復刻します!
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愛知時計電機が柱時計を復刻
計測器メーター大手の愛知時計電機(名古屋市)が、120年前のぜんまい式の柱時計を復刻する。社名にある「時計」は20年前から作っていないが、中部のものづくりを支える精密加工技術の原点。懐かしの時計を特別販売し、創業時の志を社内外にアピールする。
株式会社になって115周年の記念事業。復刻するのは、1893(明治26)年に発売した木製の柱時計で、前身の「愛知時計製造合資会社」時代に作っていた。当時は木枠が八角形で、一時間ごとに「ぼーん」となることから、「ぼんぼん時計」と呼ばれて親しまれた。 駆動装置は当時、自社製だったが、現在は作れないため、復刻版ではドイツの大手時計メーカー製を採用。しかし、音を鳴らす鉄製の装置は特注し、当時の音の再現にはこだわった。
このほか、昭和50年代にベストセラーとなり、フクロウに似た形から「ふくろう時計」と呼ばれた柱時計を復刻。オリジナルデザインの新作置き時計3種類も用意した。いずれもぜんまいで動く。
愛知時計電機は1898年、名古屋市熱田区で時計メーカーとして創業。戦時中は、時計で培った金属や木材の精密加工技術を生かして軍用飛行機も製造し、中部のものづくりの中核を担った。
軍用機が禁止された戦後は、水道・ガスメーターに軸足を移し、かつての本業だった柱時計は電子化や小型化の中で廃れていった。15年前には100周年を機に、社名から「時計」を外すことも検討されたという。
時計メーカーだったころを知る人は社内にも少なくなったが、今でも月に5、6台の柱時計の修理依頼が舞い込む。広報室の田中豊部長は「時計に根強いファンも多い。復刻で創立時の原点や精神を受け継いでいきたい」と語った。
復刻時計は5月中旬から会社のホームページで予約を受け付け、6月10日の「時の日」に発売する。価格はいずれも73,500円で、各115台限定。